宮城県栗原市築館に車でいく用事があったので、帰りに伊豆沼(いずぬま)に寄ることにした。伊豆沼は秋から冬にかけての渡り鳥の越冬地として知られていて、1967年に隣接する内沼と共に国の天然記念物に指定された。
その他、1982年に国指定伊豆沼鳥獣保護区(集団渡来地)に指定され、国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約にも登録されている。伊豆沼・内沼がラムサール条約に登録されたのは1985年で、1980年の釧路湿原に次ぐ日本で2番目であった。現在、宮城県内では伊豆沼・内沼以外に3ヶ所の登録地がある(蕪栗沼・周辺水田、化女沼、志津川湾)。
伊豆沼に着いたのは2022年1月8日(土)の13時過ぎで、陽が差しているときだった。築館から伊豆沼までは車で約20分。私の居住する仙台市中心部から築館までは、東北自動車道の仙台宮城インターチェンジから築館インターチェンジまでを走行し50分程度かかった。仙台市中心部から伊豆沼までは、車で1時間30分以内ということになる。
この日の気温は5度ぐらいで、宮城県内の1月の気温としては高かった。陽が雲で遮られたり、風が強いときがあったりと、ウールチッチ(Woolrich)の本格的なダウンジャケットを着ていても、車から降りて長時間外にいると手足や頭部から体が冷えた。
渡り鳥の中では体が大きいオオハクチョウが目立っていた。私は全く鳥には詳しくないが、撮影した写真を見ると、他にオナガガモやヒシクイがいたようだ。ただ、5年以上前ではるが前回訪れたときと比較すると、この日の野鳥の数は少ないと感じた。
最初は給餌池(きゅうじいけ)にいき、それから伊豆沼を囲む細い道に車を走らせ、写真撮影に適した場所付近の駐車場に停めた。道から数百メートル先の、凍った水面と水との境がある沼の中央付近に多くの鳥が集まっていた。
オオハクチョウが大きな音を立てて水面から飛び立つ姿や、反対に着水する姿を頻繁に見ることができた。ときには、10メートル程度離れた頭上の空間をオオハクチョウが飛んでいくのを見ることもできた。
野鳥の鳴き声もよく聞こえた。伊豆沼の周辺の多くは田園地帯で、車の交通も少なく野鳥の鳴き声を打ち消すものはない。
3連休の初日の土曜だったが、伊豆沼の野鳥を観察したり、撮影したりする人も少なめであった。もしかすると、渡り鳥の越冬のハイシーズンはまだ先なのか、あるいは過ぎてしまっているのかもしれない。